春画の効用 その④

鳥羽僧正の許にたいそう絵の上手な侍法師(雑役や警備を務めた僧)がいた。その達者なことといったら、僧正にもひけをとらないほど。それを妬ましく思ったのであろうか、僧正は侍法師の作品の一つに重大な欠落を指摘した。すなわち人が腰刀(短刀)で付き合う様子を描いた絵の中で、突きての拳が相手の身体を突き抜けているのを見て、こんな事はありえない(写実性を欠くことが甚だしい)と厳しく批判したのである。

返すこと言葉もないと思いのほか、侍法師は少しも臆せずこう述べたとか。

一概にそうは言えないと思いますよ。古い名人たちが描いた「おそくずの絵」(春画)をご覧になってください。「その物」(性器)の寸法が実際にありえないほど大きくいがかれているのではないですか。なぜなら、ありのままの大きさに描いたのでは見所に乏しいからで、わざと誇張して描くのも手法の一つなのです。貴方の作品にだって同じような箇所は少なくないはず・・・。

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