心中は武士の手本 その②

さても恐ろしき女の情念、そういえば、若いという意味の「夭」の字を「女」と合わせれば、妖怪の妖となる。なるほど若い女に男は「迷ひもし化されもすること也」と、川路は改めて女(この場合は、とりあえず若い女性)の切なる思いの恐ろしさを感じ内では、いられませんでした。

ところで、恐ろしいと感じると同時に、川路は、”情痴の果て”に自ら命を絶った二人の、なかんずく女の身でありながら死を恐れなかった遊女の勇気に、心の底から驚嘆したとも語っています。三月二日の日記を開いてみましょう。川路は、武士が従容と(心の動揺を見せずに)腹を切るためには日ごろからどのように心がけるべきかという問いに対して、さる人が語った次のような談話を思い出しています。

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