本当の「不倫」 ②

でも、不倫の語義をこれだけだと思ってしまうと・・・・。すくなくとも昭和前期より以前の文献や資料を読み解く際に大変な間違いを犯してしまうおそれがあるのです。

明治六年、祖父を殺された者が、復讐行為として相手を殺害したば場合の扱いについて論じた公文書を覗いてみると、

 

復讐ノ儀ハ擅殺ノ罪、固ヨリ赦スベカラズト雖モ、人ノ財宝妻妾ヲ奪フガ為メ謀故殺セシ者ト其刑ヲ同スルハ不倫二付、尋常謀殺ヲ以テ論ゼズ。(以下略)

 

政府がいくら敵討ちを禁じたからといって(たとえ父の敵であっても殺害することを禁じたのは、この年二月のことでした)、父の敵討ちを遂げた者をただの強姦殺人と同等に罰するのは「不倫」ではないか(刑を減軽すべきではないか)、と論じられているのです。

ところで、ここで用いられている「不倫」の意味は、「人論にはずれる」ではありません。「人論にはずれる」と解してもなんとなく意味が通じてしまうので誤解しやすいのですが、全然違うのです。

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