春画の効用 その16

するとその蔵書家は「これは火災よけの呪いなんですよ」と答えたということだ。

しかし南が「このかたにて具足びつに春画をいるということもかかえることなどによれるやらん」(なるほど春画にはこんな力があったのか。してみるとわが国で具足びつに春画をいれるのも防火の呪いかもしれないぞ)と書いているところをみると、わが国では呪術的使用は多くの場合具足びつにかぎられていて、諸仏用のびつに入れる例はごくまれだったのではないでしょうか。

具足びつであれ諸仏の収納箱であれ春画が一種のお守りとしてしようされていたのでは事実で、春画について考える際に見通してならない重大な要素といえるでしょう。ところがこの点でも、私たちは中国からの影響をみとめないわけにはいきません。

 

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