春画の効用 その14

武士の家ではいったい何のために鎧びつに春画を入れておいたのでしょうか。

花咲一男氏は、神田白龍子の「武家俗説弁」から、「武士出陣のみぎり、是をひるきみてシンウツの気を散じ、こころよく笑みを持って門出すといへり」という「俗説」を引いています。白龍子はなんの根拠も無いことなので信じてはならないと一蹴していますが(いやしくも武士たるもの、春画を見たからといって晴れ晴れとした気持ちになって出陣するなんてことがありえようかというわけです)、花咲氏は右の諸説にこうコメントを加えています。

正論であるが、この俗信が行われていたことは事実らしい。明治・大正時代に、財布の中に春画を入れておくと金がたまるとかの俗信が花柳界にはあったというし、筆者らが参加した日中戦争にも、敵陣に当たらぬまじないとして、春画やエロ写真を海中していた兵隊もいたことは確かである。

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