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春画の効用 その⑩

より豊かな性生活を享受するためのテキストとして、あるいは”オナニーの友”として大いに活用されていた江戸時代の春画ですが、このほか春画は(すでにご承知の方もいらっしゃるはず)嫁入り道具としても用いられました。江戸風俗研究家、三田村えんぎょの文章を引用させていただくと、

諸大名・諸旗本の嫁入りには、きっと十二枚つづきの笑い絵を持っていく。これは立派に表層されて、巻物日本になるのがお定まり。

非処女率が高く結前交渉なんて当たり前といった庶民の家の花嫁に較べれば、大名旗本の息女たちにはまだしもうぶな方が多かったのでしょう。そんな未経験の新婦が性生活の実際を学習する一助として、「笑い絵」(春画)が利用されたというものです。