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春画の効用 その⑧

再び川柳・雑俳の世界から例を挙げてみると、

じんきよして取り上げられる笑本

西川画を手本に丁児かきならひ

最初の句は、オナニーに励みすぎて精力欠乏等による衰弱症になった若者が、持っていた笑本(春本)を取り上げられたというもの。二番目もやはり同様の行為を詠んだ句で、商家の丁稚は西川画(1750年に80歳で没した浮世絵師西川助信に春画の作品が多かったので、西川画といえばすなわち春画を指した)を見てオナニーをやり始める(かき始める)という句意です。

春画を見ながら性的興奮を覚えたのは、もちろん男性だけではありませんでした。「華のあり香」には、性的に欲求不満の奥女中が、本屋がこっそり見せてくれた春画本で「淫念」を動かされ、かなわぬ春情を紛らわすために「指人形」(オナニー)さらには「張茎」(張形。自慰用の摸造男根)の使用へとエスカレートしていく様が記されています。「塗れた絵にかわく暇無き奥女中」という句も同じ情景に取材したものでした。